2025年06月30日
EC販売を活用することで、新しい顧客層や販売機会の獲得による売上向上などのメリットが得られます。EC販売を検討しているものの、「EC販売のメリットやデメリットについて詳しく把握していない」や「EC販売の始め方が分からない」といった悩みを持つ方もいるかもしれません。
今回の記事では、EC販売の概要や種類、始め方について解説します。EC販売でよくある失敗についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
EC販売とは、インターネット上でものやサービスの取引を行うことです。ネット販売、eコマース、電子商取引とも呼ばれています。そして、インターネット上でものやサービスを販売するサイトはECサイトと呼ばれます。
EC販売は、販売主と販売対象者の関係によって以下の種類に分けられます。
EC販売の種類 |
特徴 |
B2C(Business to Consumer) |
・企業が消費者に販売する ・一般的なECモデルで、販売方法やECサイトのバリエーションも豊富にある |
B2B(Business to Business) |
・企業がほかの企業へ販売する、法人向けEC販売 ・買い手は消費者へ購入したものやサービスを再販するのが一般的 |
C2B(Consumer to Business) |
・消費者が企業に販売する ・購入者は他社への販売が可能 |
C2C(Consumer to Consumer) |
・消費者が消費者へ販売 ・フリマアプリやオークションサイトなど、企業の構築したプラットフォームが利用される |
B2G(Business to Government) |
・企業が政府または政府機関に販売 |
C2G(Consumer to Government) |
・消費者が政府または政府機関に販売 |
G2B(Government to Business) |
・政府または政府機関が企業に販売 |
G2C(Government to Consumer) |
・政府または政府機関が消費者へ販売 |
ECサイトは、大きく自社型とモール型に分かれます。自社型とは独自のドメインを取得し、個人や企業が運営するECサイトです。モール型とは、ショッピングモールのように複数の企業や店舗のECサイトが集まっているサイトを指します。
自社型は顧客情報などのデータを個人や企業で管理し、サイトのデザインや機能のカスタマイズ性が高いのが特徴です。マーケティングやブランディングの施策や、ECサイトのメンテナンスなどは個人や企業が行います。
モール型はあらかじめ決められたテンプレートやデザインなどでECサイトを出店するため、ECサイト初心者でも出店しやすいのがメリットです。初期からある程度の集客も見込めます。一方で、データを活用したマーケティング施策などはできず、ECサイトのデザインや機能のカスタマイズ性も低いです。
EC販売を始める前に、メリットやデメリットを理解しておくことが重要です。メリットとデメリットをそれぞれ解説します。
EC販売には販売側、購入側ともに以下のようなメリットを得られます。
販売側のメリット |
・EC市場が急速に成長しているので参入しやすい ・市場や販売範囲を国内だけでなく、グローバルに広げられる ・実店舗より運営コストが低い ・消費者と直接アクセスができる ・個人情報をマーケティングに生かせる |
購入側のメリット |
・時と場所を選ばず買い物ができる ・数クリックで購入が完了できる ・同じ商品の価格を比較検討しやすい ・商品の事前情報を得やすい |
EC販売は多くのメリットが得られる一方で、デメリットもあります。主に販売側のデメリットを以下にまとめました。
・オンライン上のため顧客との対面でのやり取りが制限されている
・接続やサーバーダウンなどの技術的な問題で販売機会を失うことがある
EC販売を始めるためには、ECサイトをインターネット上に構築しなければいけません。ECサイトは、自社サイトを立ち上げる方法と、ECモールに出店する方法があります。それぞれの方法について解説します。
インターネット上で、自社のオリジナルECサイトを立ち上げる方法です。自社サイトは以下のような種類があります。
自社サイトの種類 |
特徴 |
ASP |
・アプリケーション・サービス・プロバイダーの略 ・クラウド上のECサイトの管理画面に、IDやパスワードでログインして管理を行う ・運営コストが低い ・デザインや機能のカスタマイズ性がやや低い |
クラウドEC |
・ASPと同じくクラウド上のECサイトにアクセスし、管理を行う ・デザインや機能のカスタマイズ性が高い ・運営コストがやや高い |
オープンソース |
・無料のソースコードで構築するECサイト ・初期費用が安い ・サーバーは自社で構築する必要がある ・サイト構築や管理の知識が必要 ・ソースコードによっては脆弱性がある |
パッケージ |
・ECサイトとして構築されているパッケージを利用する方法 ・カスタマイズ性が高い ・サーバーは自社で構築する必要がある ・費用が高い ・カスタマイズしていると最新バージョンに対応できないことがある |
フルスクラッチ |
・ゼロからECサイトを構築する方法 ・デザイン、機能ともにオリジナルのECサイトが構築できる ・ECサイト構築までの期間が長い ・費用が高い |
自社サイトを立ち上げる方法は、構築するECサイトの種類にもよりますが、機能やデザインをカスタマイズしたECサイトが立ち上げられるのが魅力です。プロモーションも自由にできます。
一方でECモール出店と比較すると、費用が高い、サイト構築や集客に時間がかかるといったデメリットがあります。ECの販売規模が中規模~大手のECサイトに向いている立ち上げ方法です。
ECモールとは、ECモール事業者が提供しているモール型サイトにECサイトを出店する方法です。
・初期費用が安い
・モール側のルールに従う必要がある
・手数料が発生する
ECモール出店は、自社サイト立ち上げよりもスピーディにECサイトが構築できる、サイト構築の知識や技術がなくても簡単にECサイトを運営できる、既存顧客がいるため最初からある程度の集客が見込める、といったメリットがあります。
一方でモール側のルールに従う必要があり、サイトのデザインや機能もカスタマイズはできません。サーバーや広告などの費用はないものの、手数料が発生します。
最初はECモールで出店し、ある程度EC販売の規模が大きくなったら自社サイトを構築する、といった方法も有効です。
EC販売を始めたものの、さまざまな失敗をしてしまうことがあります。EC販売を始めるまえに覚えておきたい、よくある失敗を順に解説します。
EC販売で取り扱う商材の選定を間違えてしまい、売上が得られなかったという失敗もあります。自社商品が複数ある場合には、EC販売で売れやすい商品を選定し、販売することが重要です。
商材の種類が多ければ多いほど販売機会は多くなるものの、在庫管理などほかの業務負担が大きくなります。まずはEC販売のターゲットを設定し、ターゲット層向けの商材を検討することが重要です。実店舗では販売していない、ECサイトのみのデザインやパッケージを取り入れた商材を取り扱う方法もあります。
EC販売は、ECサイト運営をはじめさまざまな作業や業務が発生します。業務体制を構築していなかったことで、作業が煩雑になり販売機会を失ってしまった、という失敗もあります。
例えば、ECサイトの商品のアップロードや修正、画像の加工、商品説明文の作成、マーケティングなどを一人で行おうとすると、多くの負担や時間が発生します。ECサイトの修正や商品説明の作成などに時間がかかってしまい、マーケティングや顧客からの問い合わせ、発送などに対応できないことで、販売機会を失ってしまうこともあるでしょう。
サイトデザインや商品画像の加工は外注する、担当者を立てる、マーケティングのツールを活用する、など効率的にECサイトを運営できる業務体制を構築しておくことが重要です。
ECサイトを構築しても、サイトへ足を運ぶ顧客がいなければ売上にはつながりません。ECサイトの構築だけでなく、マーケティングについてもしっかり計画をしておきましょう。マーケティングにはインターネット広告やSEO対策、SNSなどさまざまな方法があります。
いずれのマーケティング手法でも、ECサイト立ち上げ当初から導入し、集客のための施策を行っておくことが売上につながります。
EC販売の概要や種類、メリットやデメリットとともにEC販売でよくある失敗について解説しました。EC事業は拡大傾向にあり、幅広い分野の企業がEC販売に進出しています。ECサイトの構築やマーケティングの施策を計画的に行い、EC販売をスタートさせましょう。
斎藤容器ではEC販売のための包材やEC商材向けパッケージの提案などのサポートも行っております。ぜひご相談ください
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